大使室より(レイキャビクからの祈り)

平成27年8月10日
レイキャビクからの祈り
レイキャビクからの祈り

レイキャビクという地名から、レーガン・ゴルバチョフ会談を想起される方もいらっしゃるのではないで しょうか。1986 年 10 月 11 日、両首脳はレイキャビク市内で会い、中距離核兵器の削減に合意しま す。「冷戦の終わりの始まり」ともなった歴史的会談です。 

そのレイキャビク市で毎年 8 月 6 日あるいは 9 日、核兵器の無い世界を祈って、ろうそくに火が灯さ れます。1985 年から続く市民有志による行事、つまり、今年で 30 年目、第 31 回を迎えるイベントで す。陽が暮れる頃(といっても北緯 65 度に近いレイキャビクですので、22 時半ぐらいからです)、散 歩をするかのように多くの人がチェルトニン湖畔に集まり、おばあさんたちが手作りしたろうそくを買 い求め、火を灯し、湖に浮かべます。スピーチも主催者の方とスコットランドから来られた仲間の方 が、二度とヒロシマ・ナガサキを繰り返さないように、みなで祈りましょうといった簡単なものだけ。 

周りを見ると、レイキャビク市長や国会議員もいらっしゃるのですが、この日はみな一市民として核 の無い世界に祈りを捧げます。 

私たちの「ノーモア ヒロシマ、ノーモア ナガサキ」のメッセージがアイスランド市民に正しく受けとめ られ、1986 年の歴史的合意に力を与えてくれたような、そんな気持ちになりました。