大使室より(世界一男女平等な国の国際協力)

平成27年3月25日
世界一男女平等な国の国際協力

アイスランドは、世界経済フォーラムが発表する報告書において、ジェンダーギャップが 6 年連続で 世界一小さな国とされています。2 月には、アイスランドの社会民主同盟本部に行き、日本の女性の 社会進出政策についてレポートしてきましたが、その会合の参加者の過半数は男性。男性も女性も、 それぞれの性が最大限に輝ける社会をつくるために知恵を寄せ合う姿勢を感じました。 

そして今日の写真は、アイスランド大学校内で開催されている、国連大学のジェンダー・イクォリティ ー・スタディーの研修コース参加者との記念の一枚です。参加者は、マラウィ、ウガンダ、モザンビー ク、パレスチナ、アフガニスタンから選ばれてきた、男性 5 名女性 5 名。アイスランドで、約半年の研 修を行います。 

アイスランドは、このジェンダー平等以外にも、地熱、水産業、土地保全をテーマとした国連大学の 研修を実施しています。水産業のように移転する技術を思い浮かべることができる研修は研修内容 も想像できるのですが、「ジェンダーをテーマとした研修」って何をどうやって学ぶのだろうと強い好 奇心に駆られ、半日参加させてもらいました。 

この日の研修のテーマは、「ギャップ」。それは、男性と女性の間にあるだけではない、世代間、地域 間、異なる宗教や社会の間に存在するということを明確に認識し、その上で、他のギャップをどのよ うに克服するのかを例としながら、ジェンダーギャップの克服方法を考察するという授業でした。 

この研修では、このように抽象的な概念を、経験に基づいて議論してゆき、最終的には、自分の職 業・立場を踏まえた具体的なプロジェクトを立案し、帰国後、それを実施することが求められていま す。また、参加者は、公務員のみならず、NGO メンバー、教師、研究者等々、さまざまな立場の人が 混在しているそうです。意見交換をするだけでも、地域や立場のギャップを超えた議論が行われて いました。

単に抽象論にとどまるのでは無く、それぞれの国の状況にふさわしい男女共同実現のための具体 策を提示することが求められ、またそれは実現可能なもので無くてはならないということです。なか なか野心的なプログラム・・・5 月中旬のプロジェクト発表には、再度、聴講に来たいと思っています。