大使室より(マダム・ヴィグディス・フィンボガドッティル)

令和4年11月21日
madame vigdis
madame vigdis
アイスランドは、世界一ジェンダーの平等が進んだ国としてもよく知られています。
 
政治の世界でも同様。女性の社会での活躍については、日本はアイスランドに遠く及ばず、実のところ、日本を代表する大使としてはやや気恥ずかしい思いをすることがあります。
 
先日、アイスランド大学日本語学部で教鞭をとっておられるクリスティン・イングヴァルドッティル先生が外務大臣表彰を受賞され、それをお祝いする会を公邸で開催させていただく機会があったのですが、うれしいことに、ヴィグディス・フィンボガドッティル元大統領もこの場に顔を出されました。ヴィグディスさんは知日家としても知られ、日本にも何度か訪問されており、着任後、是非一度、お目にかかりたいなあ、と思っていたのですが、何分にも、すでにご高齢のこと、最近では公の場に出席されることは少なくなっていたので、お目にかかるのは、今回が初めてでした。
 
ヴィクディスさんは、1980年に選挙で大統領に選ばれ、1996年まで4期にわたりアイスランドの大統領の職を務められました。女性の国家元首、特に選挙で選ばれる大統領はめずらしく、世界でも初めてのことでした。
 
「子供の頃、大統領というのは、そもそも女性だけがなるもの、と思っていました。」とは、レセプションに出席されていた政府関係のアイスランド人女性の方のお話。「その頃は、ヴィクディスがまだ大統領でしたから。男性も大統領になれる、と聞いて、驚いたのを覚えています。」とのこと。
 
ヴィグディスさんのことを紹介する絵本も出されており、書店でよく見かけます。この本は英語訳も出ており、お土産に買う観光客もいるようです。日本語訳もあると良いのに。
 
今後、日本でも、女性活躍の場を広げるためには、ヴィグディスさんのようなロールモデルが必要なのかも知れません。