大使室より(「文化の夜」とナイフ殺傷事件)
令和6年9月10日
「アイスランドは安全な国」と言われ、事実、そのとおりなのですが、先日、そうした一般常識を揺るがすショッキングな事件が起きました。
今年、8月24日(土)は、カルチャー・ナイト(原語ではMennigarnótt)と呼ばれる日で、日中から美術館、博物館などが無料で公開され、各地で屋外ライブが開かれる等、特に賑やかな時なのですが、レイキャビク市内のイベントで、16歳の少年がナイフで人を刺す事件が発生しました。
この事件では3人が巻き添えになり、そのうちの一人、ブリンディス・クララさん(17歳)が8月30日に病院でお亡くなりになりました。
あまり報道されていませんが、若者らを巻き込むこのようなナイフによる暴力事件は、この他にもいくつか起きているようです。この事件の余波を受けて、今週末に予定されていた屋外でのコンサートが延期されるといった事態にもなっています。今まで当地では、大規模な集会、コンサートなどの際にも、ものものしい警備員らの配置を見ることはまずなかったのですが、今後は事情が変わるかもしれません。
事件後、シグリズル・ビョルク・グズヨンスドッティル警察庁長官は、昨今、ナイフなどの凶器を携行する若者が増えていることは無視できない、と警鐘を鳴らしています。それと同時に、深刻な事件には厳罰をもって処する必要があるが、その一方で、そうした若者たちはごく一部に過ぎないこと、また彼らが往々にして様々な困難に直面しているグループであることを認識し、警察、父兄、学校、児童保護担当部局など、社会全体が彼らを助ける方向で対応していく必要がある、と述べています。
青少年犯罪の重罰化、といった短絡的な対応は逆効果だ、ということでしょう。
アイスランドの警察官は一般に銃を携行していませんが、間もなくテーザー銃が配備されることになっています。警察の人員不足も指摘されており、暴力事件に対処する際の彼らの安全確保も問題となっています。今後の動向に注視したいところです。
今年、8月24日(土)は、カルチャー・ナイト(原語ではMennigarnótt)と呼ばれる日で、日中から美術館、博物館などが無料で公開され、各地で屋外ライブが開かれる等、特に賑やかな時なのですが、レイキャビク市内のイベントで、16歳の少年がナイフで人を刺す事件が発生しました。
この事件では3人が巻き添えになり、そのうちの一人、ブリンディス・クララさん(17歳)が8月30日に病院でお亡くなりになりました。
あまり報道されていませんが、若者らを巻き込むこのようなナイフによる暴力事件は、この他にもいくつか起きているようです。この事件の余波を受けて、今週末に予定されていた屋外でのコンサートが延期されるといった事態にもなっています。今まで当地では、大規模な集会、コンサートなどの際にも、ものものしい警備員らの配置を見ることはまずなかったのですが、今後は事情が変わるかもしれません。
事件後、シグリズル・ビョルク・グズヨンスドッティル警察庁長官は、昨今、ナイフなどの凶器を携行する若者が増えていることは無視できない、と警鐘を鳴らしています。それと同時に、深刻な事件には厳罰をもって処する必要があるが、その一方で、そうした若者たちはごく一部に過ぎないこと、また彼らが往々にして様々な困難に直面しているグループであることを認識し、警察、父兄、学校、児童保護担当部局など、社会全体が彼らを助ける方向で対応していく必要がある、と述べています。
青少年犯罪の重罰化、といった短絡的な対応は逆効果だ、ということでしょう。
アイスランドの警察官は一般に銃を携行していませんが、間もなくテーザー銃が配備されることになっています。警察の人員不足も指摘されており、暴力事件に対処する際の彼らの安全確保も問題となっています。今後の動向に注視したいところです。