大使室より(8月のレイキャビク)

2020/8/5
    
チョルトニン湖の桜                                                桜の植林を記録する盾


 6月から7月にかけ、レイキャビクは天候不順の日もありましたが、まさに真夏という感じのキラキラと輝いた日も多かったです。ある天気の良い休日、午前中に妻と一緒に市内のチョルトニン湖に行ったのですが、目が覚めるような陽光の中、静かで空気が澄みきっていて、市内でありながら、本当に心が落ち着く静かな時間を過ごしました。車に戻る際にふと足下を見ると日本アイスランド協会等が行った桜の植林を記録する盾が目に入りました。改めて周りを見ると、桜の植林が何本も目に入ってきました。本件は偶然見つけたのですが、毎年春にここで大使館も参加してお花見会をやってきているそうです(今年はコロナ問題で中止となりました)。
 
 外交活動も、会食などもある程度受け入れられ、本使公邸にも外務大臣や財務大臣などをお招きしました。また、国会近くのレストランで国会議員と会食もしましたが、レストラン内は十分混み合っていて、誰もコロナ対策など気にしてはいないような雰囲気でした。このように、7月になると、大人数の会合を除き、人と人との接触を基本とする外交がある程度可能となった感がありました。

 6月25日にはヤコブスドッティル首相を首相府で表敬訪問しました。にこやかで、どんな話題にも自分の考えを持っているという印象を得ました。首相府は、守衛もおらず、簡素な建物で(かつて、囚人等を収容する施設だったもの)、この国の首相というものはこんなに近づきやすいものなのかと感嘆しました。
 
 アイスランドは7月に入り、PCR検査のみで入国可能な国をEU・シェンゲン協定の勧告に従い、増加し、更に、ドイツやノルウェー、デンマークなどの少数の国については、PCR検査を免除する措置をとりました。これは、夏期休暇期間を控えて観光客の来訪を促すのが主目的であったと思われます。
 
 しかし、残念ながらアイスランドがコロナ問題から解放された訳ではありません。6,7月と収束の感があった国内感染者は6月下旬以降、少数ながら徐々に出てきました。それも、外国から持ち込まれたもののみならず、国内で独自に感染が広がっているケースも確認されるようになりました。8月3日現在、1915名の感染者が確認されています。
 
 7月末から8月はじめにかけては、マーチャンツ・ウィークエンドという、働いている人たちに感謝する連休で、毎年大々的にフェスティヴァルなどがダウンタウンで行われる夏の風物詩です。しかし、その直前の7月31日に政府は新たな規制措置(期限2週間)を導入しました。集会の規制やバー・レストランなどの閉店時間の規制などです。これはまさに連休前に冷や水をかけるような措置でしたが、やむを得ない措置であったと受け止められています。8月1日に国会で行われる予定であった大統領就任式には、本使を含む外交団も招待されていましたが、前日にキャンセルされ、当初100人近い集会であったものが25名に縮小されました。
 
 アイスランドは人口36万人強という小国なので、感染拡大には可能な限り早期に対策が求められます。経済再興のための支援策も、一旦ストップしたりUターンするといった政治的に勇気のある決定が求められます。誰も、何が最も適切か分からないような場合もあり、政治家も苦しむことが多いと思います。しかし、小国ながらも、アイスランドはアイスランドなりに汗をかきながらコロナと戦っているという印象です。
 
 
 
首相官邸にてヤコブスドッティル首相と