大使室より

平成28年9月12日

大陸をまたがる家族の再会

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アイスランドは、ユーラシア大陸と北米大陸が発生する地として有名ですが、今日は、ユーラシア大陸の端にある日本の家族と北米大陸の家族が、ここアイスランドで再会したお話を紹介させてください。


13年前のこと。ある日本人高校生がアメリカに留学していた時、スキー旅行でひどい事故に遭ってしまいました。彼は頭に大けがをし、記憶を完全に失い、また覚えることも困難となってしまいました。彼の家族は遠く離れたところにおり、彼は外国にひとりぼっちでした。しかし、彼の学校の友人と、その家族が、日本の少年を毎日病院にお見舞いしてくれたのです。毎日、毎日、2-3ヶ月の間! 毎日病院を訪問すると、その父親は、少年に同じ質問をしました。「あそこに橋が見えるかい? なんて名前か、知ってるかい? ゼーカム橋っていうんだよ。」 ある日、その父親は少年の表情に、何かを思い出そうとしている様子を感じ取りました。記憶力を取り戻すきっかけです。「うーん、知っているような気がするんだけれども。・・・でもわからない。」「あれは、ゼーカム橋っていうんだよ。」 毎日、毎日、2-3ヶ月の間です。そして、とうとう、その少年は、記憶力を取り戻します。


その日本人の少年は、今は3歳の息子の父親となり、ここアイスランドで、アメリカ人の父親と再会します。3歳の息子のアメリカ名はゼーカム、アメリカの父親の名前はロバート・C・バーバー、在アイスランド米国大使です。