大使室より
平成30年2月7日
オーロラ


日本からアイスランドに旅行に来られる方の中には、オーロラとの出会いを期待されている方も多いことと思います。確かに、暗闇に美しく舞う緑や紫のオーロラの姿は何度見ても素晴らしいものです。
アイスランドは国全体が所謂オーロラベルトに入っている為、首都レイキャビクでも充分見ることが可能です。また、気象庁が毎日出している「オーロラ予報」や、旅行社が企画するオーロラ・ツアーといったソフト面も充実しています。とは言え、自然相手のことですから、遭遇出来るか否かは運次第とも言えます。3~4日連続で発生することもあれば、「1週間もいたのに見られなかった」ということも珍しくない様です。
そんな不運な方(?)を慰めようとする訳ではありませんが、私自身は、たとえオーロラが見られなくとも、冬、オーロラ・シーズンに見られる美しい朝焼けと夕焼けが大好きです。好天の日は勿論ですが、雲の日でも切れ目さえあれば、午前10~11時、午後3時以降に高い確率で、日本ではなかなか見られないような、雄大で美しい朝焼けや夕焼けが見られます。アイスランドの空を、ゆっくりオレンジやピンク、赤と言った美しい色で染め上げて行く様子は、まさに息を呑む光景です。
オーロラに話を戻すと、日本の国立極地研究所がアイスランド大学の協力を得て、1980年代から南極の昭和基地とアイスランドでのオーロラ同時観測を行っていることをご存知でしょうか?オーロラの発生メカニズムは、太陽から発せられた電子が地球の磁力線に沿って大気圏に落下する際に酸素原子や窒素原子と衝突して光を放つものですが、この磁力線が北極と南極を結んでいる為、オーロラも北極と南極で同時に発生することがあるそうで、この謂わば1つのオーロラを同時に観測できる場所が、地球上でアイスランドと昭和基地だけなのだそうです。
アイスランドと日本との知られざる関係、まだまだたくさんありそうです。