天皇誕生日祝賀メッセージ
令和4年2月23日
アイスランドには独立の記念日がありますが、日本には国の「独立」を祝う記念日というものはありません。2月11日が「建国記念の日」ということになっており、法律で決められたちゃんとした祝日なのですが、いろいろと事情があって、今ではこの日に何かお祝いする人は少ないように思います。
日本の国家元首は「天皇」と呼ばれています。現在の天皇陛下は、即位して3年目。その徳仁天皇陛下は、2月23日に62歳目の誕生日を迎えます。一般に日本のナショナル・デーといえば、この日のことで、国の内外で様々なお祝いの会が開かれます。
私は、日本という国の政府と国民を代表する大使として、この国、アイスランドに派遣されていますが、外交の世界では、国家元首である徳仁天皇陛下が、大使を任命し、派遣することになっています。日本の憲法上、天皇は国政に関する権能を有しないのですが、国家元首は国の象徴、なのですね。
ですから、ここでも、その慣習に従い、徳仁天皇陛下個人の誕生日を、いわば日本という「国」の誕生日とみなして、お祝いしていただければ幸いに思います。(もちろん、陛下個人の誕生日を一緒にお祝いしていただいても構いませんが。)
誕生日を祝う、といっても、単純に一つ余計に歳をとったことをお祝いするわけではありません。今、日本が独立した一つの国としてあること、国民が平和と繁栄を享受していることを祝いたいのです。日本は数々の歴史的な試練にもめげず、民主主義と平和に価値を置く文化的な国として発展して来ました。国民の多くは経済的な繁栄を享受し、いまや、海外でも多くの日本人が活躍しています。日本の文化は、世界中に知られ、愛され、ここアイスランドでも愛好家が多くいます。他にも多くの国々、世界中の様々な国の人々とも、平和で友好な関係を築いてきました。そうした幸いな日本の「今」を振り返り、かつて試練の際に得た海外の人々の助けや協力を感謝とともに思い起こすとともに、今の状態が今後も継続してあることを切に願いたいのです。
もちろん、乗り越えなければならない課題は多くあります。今まさに、地域の平和を脅かしかねない事態が欧州でも生じていますが、日本周辺の安全保障環境もさまざまな不安定要因にさらされており、決して楽観を許しません。国内をみても、経済的な苦境や差別に苦しむ人たちが少なからず存在し、男女平等に関しても、アイスランドと比較するのが恥ずかしいほど進んでいません。少子高齢化が進み、人口も減少が続いています。そうした中で、地球環境問題にも取り組み、脱炭素社会の実現に向けて一層の努力を重ねなければなりません。そうした内外の課題に国際的な協力を得ながら、一つ一つ取り組むことが求められています。
アイスランドも日本も、いままでさまざまな自然災害や経済的困難に直面しつつも、その試練を乗り越えてきた逞しい歴史を共有しています。
これからも、両国はそうした歩みをつづけて行くことでしょう。アイスランドの皆さん、アイスランドから、日本の歩みを見守っていてください!!
日本の国家元首は「天皇」と呼ばれています。現在の天皇陛下は、即位して3年目。その徳仁天皇陛下は、2月23日に62歳目の誕生日を迎えます。一般に日本のナショナル・デーといえば、この日のことで、国の内外で様々なお祝いの会が開かれます。
私は、日本という国の政府と国民を代表する大使として、この国、アイスランドに派遣されていますが、外交の世界では、国家元首である徳仁天皇陛下が、大使を任命し、派遣することになっています。日本の憲法上、天皇は国政に関する権能を有しないのですが、国家元首は国の象徴、なのですね。
ですから、ここでも、その慣習に従い、徳仁天皇陛下個人の誕生日を、いわば日本という「国」の誕生日とみなして、お祝いしていただければ幸いに思います。(もちろん、陛下個人の誕生日を一緒にお祝いしていただいても構いませんが。)
誕生日を祝う、といっても、単純に一つ余計に歳をとったことをお祝いするわけではありません。今、日本が独立した一つの国としてあること、国民が平和と繁栄を享受していることを祝いたいのです。日本は数々の歴史的な試練にもめげず、民主主義と平和に価値を置く文化的な国として発展して来ました。国民の多くは経済的な繁栄を享受し、いまや、海外でも多くの日本人が活躍しています。日本の文化は、世界中に知られ、愛され、ここアイスランドでも愛好家が多くいます。他にも多くの国々、世界中の様々な国の人々とも、平和で友好な関係を築いてきました。そうした幸いな日本の「今」を振り返り、かつて試練の際に得た海外の人々の助けや協力を感謝とともに思い起こすとともに、今の状態が今後も継続してあることを切に願いたいのです。
もちろん、乗り越えなければならない課題は多くあります。今まさに、地域の平和を脅かしかねない事態が欧州でも生じていますが、日本周辺の安全保障環境もさまざまな不安定要因にさらされており、決して楽観を許しません。国内をみても、経済的な苦境や差別に苦しむ人たちが少なからず存在し、男女平等に関しても、アイスランドと比較するのが恥ずかしいほど進んでいません。少子高齢化が進み、人口も減少が続いています。そうした中で、地球環境問題にも取り組み、脱炭素社会の実現に向けて一層の努力を重ねなければなりません。そうした内外の課題に国際的な協力を得ながら、一つ一つ取り組むことが求められています。
アイスランドも日本も、いままでさまざまな自然災害や経済的困難に直面しつつも、その試練を乗り越えてきた逞しい歴史を共有しています。
これからも、両国はそうした歩みをつづけて行くことでしょう。アイスランドの皆さん、アイスランドから、日本の歩みを見守っていてください!!