レイキャビクからの祈り
レイキャビクという地名から、レーガン・ゴルバチョフ会談を想起される方もいらっしゃるのではないでしょうか。1986年10月11日、両首脳はレイキャビク市内で会い、中距離核兵器の削減に合意します。「冷戦の終わりの始まり」ともなった歴史的会談です。
そのレイキャビク市で毎年8月6日あるいは9日、核兵器の無い世界を祈って、ろうそくに火が灯されます。1985年から続く市民有志による行事、つまり、今年で30年目、第31回を迎えるイベントです。陽が暮れる頃(といっても北緯65度に近いレイキャビクですので、22時半ぐらいからです)、散歩をするかのように多くの人がチェルトニン湖畔に集まり、おばあさんたちが手作りしたろうそくを買い求め、火を灯し、湖に浮かべます。スピーチも主催者の方とスコットランドから来られた仲間の方が、二度とヒロシマ・ナガサキを繰り返さないように、みなで祈りましょうといった簡単なものだけ。
周りを見ると、レイキャビク市長や国会議員もいらっしゃるのですが、この日はみな一市民として核の無い世界に祈りを捧げます。
私たちの「ノーモア ヒロシマ、ノーモア ナガサキ」のメッセージがアイスランド市民に正しく受けとめられ、1986年の歴史的合意に力を与えてくれたような、そんな気持ちになりました。