大使室より

  • このコーナーについて
    1. はじめまして
    2. 居心地の良い距離感
    3. 東北のミライとアイスランド
    4. 伝えるということ
    5. 自分の言語を大切にする国
    6. 色の無い世界
    7. あけましておめでとうございます
    8. 「氷の国」アイスランド
    9. 世界一男女平等な国の国際協力
    10. やはりアイスな アイスランド
    11. レイキャビクからの祈り

    あけましておめでとうございます

    アイスランドの新年は、大晦日からの花火が打ち上げ続けられる中、訪れます。これまで他の欧州の都市でも花火の大晦日を経験しましたが、レイキャビクは、また格別。高層ビルが無いので視界をさえぎるものが無く、街のシンボルでもあるハットルグリムス教会を彩る大輪の花が、とても良く見えます。

    そして、この国の花火は、とても市民参加型。クリスマスが終わった12月27日ごろから、街のあちこちに花火売りのスタンドがたちはじめ、小さな子供から大人までひっきりなしに訪れ、自分にあったサイズの花火を購入していきます。驚くことに、打ち上げロケット花火やら、箱形になっていて連打できる花火やら、これまで自分で打ち上げることを考えたことも無いような本格的な花火が売られています。この花火販売は海上救援隊が運営しており、売り上げは海難事故にあった船や船員を救助するボランティアの人に渡されるとあって、購入する人たちも「良い目的にお金を使っている」という気持ちからか、高額の花火をたくさん買っていくんです。

    結果、レイキャビクの大晦日は、夕方暗くなると(16時にはすっかり暗くなっていますが)、待ちきれない人たちが打ち上げる花火の音が聞こえ始め、23時過ぎると、あちらでもこちらでも大輪の花が咲き続ける、本当に見事な夜景となります。

    スタンドではかなり大きな打ち上げ式花火を勧められた我が家ですが、初心者としてやや小さめのものを購入しました。それでもピューという鋭い音とともに空高く飛んでいき、綺麗に二連の花を開かせる様子には,言葉も無いくらい感動しました。

    日本では花火は夏の風物詩、冬の花火は間が抜けているとも言われるけれども、凍るような空気の中に咲く花も、なかなか見応えがあります。 アイスランド人に言わせれば、アイスランドの夏は白夜ゆえ、夏に花火を上げても見えないのだそうです。なるほど、ところ変わればなんとやらと納得しました。

    2015年のみなさまの健康とご活躍を、アイスランドより祈念します。


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